セミの鳴き声


 ジェイ教育セミナー 手柄駅東校 中川

ツクツクボウシが鳴き始めるともうすぐ夏が終わり、秋が始まるように感じます。(まだまだ暑いですが…。)

そんな、ツクツクボウシは8月中旬~9月頃まで鳴くセミで、日が傾き始めたころに鳴き始め、日没まで鳴いていますが、ツクツクボウシなどのセミが鳴くといっても、口から声を出すのではなく、発音筋という筋肉をふるわせて音を出し、腹の中にある共鳴室という空間で音を大きくしています。また、腹部をおおっている腹弁というところのすきまを開けたり閉めたりして、鳴く声の調子や強弱をつけています。

では、セミはなぜ大きな鳴き声を出すのでしょうか?

「大きな鳴き声」は昆虫をエサとする鳥などに自分の位置を知らせる「危ない行為」ですが、実はそれを承知の上で鳴いているのです。

セミの一生は、卵で1年、幼虫で3年~16年と長く、成虫で10日ほどと短いですが、その成虫の間に、メスを引き寄せるためにオスがメスに大きな鳴き声でアピールをしています。

セミなどの完全変態をする(サナギの時期がある)昆虫は幼虫と成虫の体が大きく変わります。実は「成虫=子孫を残すための体」なのです。セミのメスは「大きな鳴き声のオスに引き寄せられる」という実験データもあり、オスのセミは命がけで鳴いているとも言えるのです。

夏の風情とも感じるセミの声ですが、実は「仲間をふやす」ための大切な活動なのです。