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5月, 2023の投稿を表示しています

最近あったできごとから

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 【 ジェイ教育セミナー赤穂駅前校 竹井 】 つい最近、こんなことがありました。 1学期中間テストの対策授業をしている時のことです。時間は、中1の社会。日本の47都道府県と県庁所在地の暗記です。都道府県については、特に、四国地方の都道府県が書けていなかったので、「愛媛県」・・・「ヒント! 夏目漱石・・・坊っちゃん・・・」生徒の頭は??「みかんの生産が多い県」でも通じない。「香川県」・・・「うどん県」・・・生徒の頭は??だらけ。果たして生徒に問題があるのか、そもそもこうしたことを教えてもらっていない。教えてあげられていない、我々大人たちの問題なのか?都道府県を覚えるのも、「機械的に、北から順番に覚えているだけ」なのかなぁ・・と。 これはほんの一例にすぎませんが、色々な「ことば」や「表現」を知らない、教えられていないなぁ・・・と感じることがあります。そうしたことばを知る(覚える)ことで、自分の意志や気持ちの表現の幅が広がります。 今年4月、ある書籍が発行され話題になったものがあります。『三省堂国語辞典から 消えたことば辞典』(三省堂)です。(なので、全ての辞書からというわけではありません。)普通、辞書を使う場合、「意味の知らないことば」「使い方がわからないことば」などを調べたりしますよね。この辞典は、辞書に収録されずに削除されたことばの中から、厳選した1000語を集め、本にしたものです。 「ことば」とは、「その時の時代状況を映す鏡」であったり、「当時の使用状況によって廃れていく物」でもあります。 例えば、 ファミコン・・・家庭用テレビゲーム機。 キーパンチャー・・・昔の大型コンピューターで、キーをたたいて情報を入力する仕事をした人。 こギャル・・・顔を黒く焼いたりする、ファッションが派手な女子高生など。 SARS(サーズ)・・・重症急性呼吸器症候群。 デタント・・・雪解け ながら族・・・テレビ・ラジオなどを見たり聞いたりしながら、ほかの仕事をする人たち。 バスガアル・・・バスの女車掌。                   など(が収録されています。) こうしたことばや表現は、「ある物や人」を表したことばが多いですが、そこに隠された時代背景や当時の様子を知ることもできます。「消えてしまったことば」は「時代遅れ・使うことがない」から、消えてしまいましたが、「ことばの存在自体

みんなおなじ?みんなちがう?田植えまつり 

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 【 ジェイ教育セミナー大津校 体験教育担当 橋本 】 おじゃまします~、今回はハシヒデがお届けする体験教育のお話です。 2023年5月21日(日)、今年度農業体験第一弾として兵庫県丹波市春日町棚原にある「ジェイ農園」で田植えと野菜収穫をしてきました。 参加する生徒24名、一人の欠席もなく集合時刻に姫路駅南口ロータリーに集合、バスに乗り込みます。参加生徒のエネルギーでしょうか、前日まで心配された天候が、まあ見事な晴天。雨男のハシヒデとしてはホッと胸をなでおろしてのスタートです。 往路のバス内では、参加生徒の紹介や班分け発表などワイワイガヤガヤと。1時間半の道中で、普段顔を合わせることのない生徒やスタッフもすぐに打ち解けていきます。 さて農園到着、ジェイ農園のスタッフも出迎え体制万全で生徒のワクワク感はMaxです。全員で超元気な挨拶をして手早く開会式を済ませ、早速活動開始! まずは自然観察会から。専門の指導員のアドバイスのもと、開会式会場から田植え圃場までの間歩きながら、すぐ近くにある植物や動物に関心を寄せていきます。その道中、ジェイ農園母屋駐車場の一角に、出荷や加工ができなかった野菜を廃棄する場所があり(といっても3坪ほどの草むらなのですが)、そこに寄ります。 指導員の先生 「さあ、この草むらから『野菜』をさがしてみよう!」 生徒 「???」 実は、野菜を廃棄と書きましたが「自然に還している」だけなので、たい肥になっていくものもあれば、発芽する種子もあります。普段の生活でこのような観点を持つ機会は少ないのではないかと思います。 というわけで、生徒は「野菜!野菜!」と探しますが見つかりません。 生徒 「センセ~、野菜なんかどこにあるん??」 ハシヒデ 「ほれ、目の前にあるやん」 そうです、生徒の目の前に立派なダイコンが成長しているのです。ではなぜ生徒は気づかなかったのでしょう?私たちが知っているダイコンはスーパーで見る白い根っこの部分です。しかしダイコンも植物ですから発芽・成長すると種子をつけます。ダイコンはアブラナ科なので種子は莢(さや)に収まっています。イメージはサヤインゲンの豆を大きくしたような感じで、この莢が生徒の目の前にたくさんあるのです。…ってそりゃ気づかないですよね💦    他にもニンジンやミョウガ、ネギなども芽を出していました。植物も環境に適応してタ

「ほんたうのさいはひ」

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  【 ジェイ教育セミナー龍野校 加古 】 みなさんは宮沢賢治という人を知っていますか。日本の文学史上子どもから大人まで、世代を問わず、彼ほど知られている作家はいないのではないでしょうか。学校の教科書だけでなく、絵本や映画、アニメにもなり、だれもが幼いころから親しんできている作家の一人です。「注文の多い料理店」「セロ弾きのゴーシュ」「風の又三郎」「銀河鉄道の夜」などの童話、また彼が心象スケッチと言っている詩「春と修羅」などいくつかの作品は必ず目にしているでしょう。 宮沢賢治の人生には「死」が色濃く反映しています。明治29年(1896年)8月27日岩手県花巻市の裕福な商家の長男として生まれ、あと取りとして大切に育てられます。生涯金銭のことは心配することなく自分のしたいことをし続けることができました。しかし、彼自身はその恵まれた環境に対する悩みから、父親に対する反抗が現れてきます。6歳の頃、伝染病にかかり何ヶ月も入院生活を送ります。また18歳の頃、鼻の手術を受けたとき、伝染病にかかった疑いで一ヶ月余りの入院となります。もともと信心深かった家族の影響もあり、「死」に直面するという経験から仏教への関心が深まっていきます。また、一番の理解者であった最愛の妹が24歳という若さで亡くなるという深い悲しみを経験します。妹の死は「春と修羅」の「永訣の朝」などに歌われています。彼の作品には愛する者を永遠に失う苦しみや悲しみ、愛する人にもう一度会いたいという、願いが描かれています。「みんなの幸い」を目指し、自分の理想とする「ほんたうのさいはひ(本当の幸い)」とは何かを問いかけていると言えるのではないでしょうか。 彼は盛岡中学校から盛岡高等農林学校を卒業後、花巻農学校の教師となりますが、数年で退職します。「本当の百姓」になるという目標に向かって、彼の理想へ進んでいきます。畑を耕したり、近所の農民たちに農業指導や肥料相談をする毎日を送ります。現在の花巻高等学校の敷地内に移築されている「羅須地人協会」が活動拠点となっていました。 彼が理想を求めた活動は、朝から晩まで働きづめの農村における実情とは相容れず、現実が突きつけられ、活動は休止されます。 賢治の人生にはまた「災害」も大きくかかわっています。彼が生まれた年には明治三陸地震が発生し、津波で多くの人が亡くなりました。賢治が亡くなった1933年

個人懇談のご案内

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【 ジェイ教育セミナー新飾磨校 松下 】 5月に入り、ジェイでは個人懇談の時期に差し掛かってきました。 1学期中には、5月から6月にかけて、小3から小5・中1の保護者様対象、6月から7月にかけて中3の保護者様対象に個人懇談を実施します。なお、小6・中2の保護者様対象の懇談は、2学期の10月から11月にかけて実施します。 新年度になり、およそ2か月が経ちました。それぞれ新しい学年に進級・進学し、前の学年に比べると学習内容は難度が増し、戸惑う人もいるかもしれません。中でも中1生は、中学生という新たなスタートを迎え、環境が大きく変わって気持ちに変化が起こっていると思います。 みなさん、順調にスタートできているでしょうか。 ジェイでの懇談会では、お子様の、学校や家での様子をお伺いするのと同時に、ジェイでの様子をお伝えします。例えば、クラスの雰囲気やご家庭での学習時間や余暇の時間(ゲーム・スマホを触っている時間が多くなっていないかなど)、読書の時間、就寝時刻、学校での宿題の量は昨年と比べてどうか、現時点でのお子様の興味は何かなど、さまざまなことをお伺いします。また、お子様の塾での様子、できていること、これからの課題といったことをお伝えします。そして、塾での勉強に取り組む姿勢や宿題のやり方、確認テストや公開テストの成績、中学生は定期考査・通知表の成績を確認しながら、志望校や将来の目標とすり合わせを行います。 今回の懇談で、夢に向かって頑張るお子様のお力添えが少しでもできればと思います。 なお、小3から小5及び中1生の保護者様への個別懇談に関してのご案内は、5月10日発送物に同封しています。懇談可能な日時を記入していただき、お子様を通じてお預かりいたしますので、所属の校へお持ちください。お忙しいとは思いますがよろしくお願いいたします。

鬼滅の果実

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 【 ジェイ教育セミナー手柄駅東校 久米田 】 5月の連休を利用し、天台宗総本山である比叡山延暦寺に行ってまいりました。なお、延暦寺とは比叡山内の境内に点在する約100の堂宇の総称であり、一棟の建造物を指すものではありません。東塔(とうどう)、西塔(さいとう)、横川(よかわ)の三つに区分され、それぞれに本堂がありますが、今回は東堂のみ参詣いたしました。根本中堂の不滅の法灯に手を合わせ、開運の梵鐘を撞き、日本一大きい最澄伝教大師の像と自撮りし、般若心経クリアファイルを土産に買いました。気のせいかもしれませんが、なにやら徳を積んだ気がいたします。 ところで、比叡山が京都の鬼門にあたり、いわゆる鬼門除けに延暦寺が建てられたという話をご存知でしょうか。鬼門とは鬼の出入りする門の意味で、北東を指し、古来よりこれを忌避しています。 参道脇の開創由来を記した看板には、平安京の予定地を点検した藤原小黒麻呂から「この所は四神相応(東に河川の青龍、南に耕地の朱雀、西に往還の白虎、北に山の玄武を置く好条件)の地なり、しかれども東北に当たりて一高岳あり。東北はこれ鬼門なり、たまたま四神相応の霊地なりといえども、百僚怖畏の難なきにあらず、遷都の儀式、よろしく天察あるべし」との上奏を受け、桓武天皇は平安京の鬼門にあたる比叡山に寺院造立の詔を下した、とありました。 王城を霊的に守護し国家鎮護を担う延暦寺は、以後全国の俊英を集め、仏教教学の道場となり、浄土宗の法然、浄土真宗の親鸞、時宗の一遍、法華宗の日蓮、臨済宗の栄西、曹洞宗の道元など錚々たる人物がこの地で修行し、全国に仏教を広めていきます。 さて、京の鬼門の方角には比叡山延暦寺のほか、陰陽師の安倍晴明を祀った晴明神社など、悪鬼が都に入り込むことを防ぐ建物が存在します。また、京都御所の「猿が辻」も鬼門封じとして有名で、御所の北東角の外壁を凹ませ、神猿の像を置いて、鬼の侵入を防いでいます。角(かど)を取ることで、鬼の角(つの)を取り、鬼の力を弱めるのだとか。 このシステムは姫路城の縄張りにも取り入れられており、内堀・外堀の北東部分は丸くカーブをえがいて角をつくらず、石垣もわざと欠けさせ角を取り、「桃」を象った瓦を載せて鬼門を封じ、さらに姫路城北東約3kmの地には歳徳神社を建立し、鬼門除けとしています。 ちなみに「桃」は古来より破邪の力を秘めていると

春のあぜ道を歩いてみると

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 【 ジェイ教育セミナー大津校 田邉 】 健康のため、週に一度は長時間の散歩に出かけたり、自転車で遠出したりしています。とりわけ春は、気候が良いため、知らず知らずのうちに出歩く時間が長くなってしまいます。 ふだん散歩をするときは、ただ歩くだけですが、最近、理科の授業で教えている植物の分類や、河原に落ちている岩石の種類が気になり始めました。 近所のあぜ道を歩いていると、タンポポ、ナズナ、シロツメクサ、オオイヌノフグリ、スズメノカタビラ、菜の花、セイタカアワダチソウといった常連だけでなく、名前を知らない無数の植物が生えています。また、そうした植物の花を仔細に観察してみると、花弁、がく、めしべ、おしべといった部位が一体どこにあるのか、想像もつかないような複雑な構造になっているものが数多く存在します。中1の理科は、種子植物の双子葉類、単子葉類からはじまって、きれいに植物を分類していますが、本当にこんな多様な植物を明確に分類できるのだろうかと疑問を抱くことが多いです。 また、中2の理科では、火成岩、堆積岩といった岩の代表的な種類を学びますが、あぜ道に転がっている石や、河原で発見できるような石が果たしてどのような種類の石なのかを判別するのも、困難をきわめます。例えば、姫路市の西部には火山がないので、火成岩が転がっていることはないだろうと思う反面、数億年前には火山があった可能性や地殻変動の可能性も否定できません。また、道端や河原に転がっている石の色や組成もきわめて多様で、教科書にあるような「黒っぽい」「白っぽい」、「粒が大きい」、「小さい」といった基準だけでは分からないことが多いです。 このように、春のあぜ道を歩くだけで、いろいろな発見があります。

偏差値の話

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                        【 ジェイ教育セミナー高校部   河合塾マナビス はりま中央校 上野 】 受験生にとって偏差値は自分の学力を知る上で重要なデータの1つですが、『偏差値とは何か』と聞かれて答えられる人は意外と少ないように思います。そこで今日は偏差値のお話から。 まず、偏差値とは平均点が50、標準偏差が10となるように得点を換算した数値のことです。標準偏差とはデータのばらつきを表すひとつの指標であり、得点分布が正規分布(得点分布のグラフがきれいな釣鐘状になっている分布)と仮定した場合、偏差値が(50±標準偏差)の範囲内に母集団の約68%がその中に入ります。試験の場合ならば受験者総数の68%の受験生が偏差値40~60の中にいるわけです。見方を変えれば偏差値60の生徒は上位16%、偏差値40の生徒は下位16%に位置していることになります。さらに偏差値(50±標準偏差の2倍)となった場合は母集団の約95%がこの中に入ってきます。したがって偏差値70の生徒は上位2.5%以内に位置しているわけです。このように偏差値とは得点だけでは見えない母集団における位置を表してくれる貴重なデータですが、ここで注意しておかなければいけないことは、『偏差値は母集団によって変動する』ということです。時々『自分の偏差値は60だから、あと偏差値を2上げれば志望大学の偏差値62に届くので合格できる』といった内容の話をする受験生がいるのですが、これはかなり勘違いしているといえます。先に述べたように偏差値は『母集団における位置』を表すもので絶対評価ではありません。高3の春に実施される模試では高い偏差値が取れたのに、夏以降は偏差値が下がるケースはよくあるのですが、これは模試を受験する浪人生が増加することで母集団のレベルが上がるために起こる現象で、必ずしも受験生の学力が低下したことを表すわけではありません。また、毎回の模試で同じ順位が取れるはずもなく、出題内容によっては同じ科目でも解けたり解けなかったりすることもあります。したがって学力が変わっていなくても、複数の模試で同じ偏差値を取るということは偶然でない限りありえません。偏差値というのはあくまで目安として利用するものであることを知っておきましょう。 さて、5月3日(水)にはりま中央校の高3生を対象とした第1回全統共通テスト模試が