氷河の旅人


ジェイ教育セミナー網干南校 竹本

市販されているアイスクリームには、賞味期限や消費期限が存在しないというのはご存じでしょうか(一部の商品には賞味期限の記載あり)。冷凍庫のような低温下では、微生物が繁殖しないので、腐敗しないためです。

では、それが自然の中で起きたら?

自然の偶然から冷凍保存されて5300年後の現代へとやってきたのが、アルプス山脈の氷河で発見された「エッツィ」、通称アイスマンです。

1991年9月19日、ある登山客の夫婦がアルプス山中で人間の遺体を発見しました。最初は、単なる遭難者の遺体かと思われていましたが、調べるにしたがって、身に着けていた装備から5300年ほど前の人間と分かり、ついたあだ名がアイスマンです。ほぼ純粋な銅製の斧や鍼治療のあとなど、衣服や山登りの装備を身に着けたまま、現代へとタイムスリップしてしまったアイスマンの存在は、当時のアルプス付近の生活環境を知る重要な手がかりになりました。

しかし、そんな歴史探求とは別に疑問が残ります。それは、「なぜ、彼は海抜3210メートルの広大な氷河の中で死んでいたのか」ということ。彼の死因には、他殺や凍死など、様々な理由が述べられていますが、いずれも仮説の域を出ないものばかりです。

ただ、これを探っていた法医学者が7人、発見者夫妻の夫やジャーナリストが相次いで死亡しています。もちろん、発見から今年で29年を迎えているので、単なる偶然であると片付けることもできますが、もしかすると、アイスマンは死してなお、何か、超常的な力を持つ存在だったのかもしれませんね。