西郷さんの残したものは


 ジェイ教育セミナー新飾磨校 丸岡卓也

先月内閣総理大臣が辞任しましたが、政治家は何かしらのレガシー(遺産)を残そうとするようです。

1877年9月24日は西郷隆盛が自決した日です。西郷は陸軍大将で近衛都督でもあり、いわゆる明治政府の『武』のトップ。ジェイの生徒さんならご存じである1871年の廃藩置県は西郷なくしては成功しなかったでしょう(失敗していたら明治時代はそこで終わっていたくらいの大改革です)。

しかし体調面に不安のあった西郷は自分の最後を意識した動きにでます。それが征韓論です。

簡単に言うと、十中八九殺される朝鮮への大使として自ら名乗りをあげ、殺害されればそれを口実に朝鮮に出兵するという筋書きです。大久保利通などに反対され実現はしませんでしたが、自分の命の使い方を意識したものだったのかもしれません。

私の考えでは、江戸幕府を倒し武士の世を終わらせた西郷は、10年後、西南戦争に身を投じて負けることで結果的に言論でしか政府に対抗できない世をつくり、サムライとして生きていける世を完全に終わらせました。見方によれば政治家として、武士のいない新しい時代を導いたというレガシーを残したのかもしれません。その後は大久保利通も暗殺され、新しい時代は伊藤博文に引き継がれました。