読書法の提案
【 ジェイ教育セミナー赤穂駅前校 淡井 】
大寒に入りました。皆様、寒い日が続きますが、ご自愛ください。
さて、私にとって子どもたちに教えることが仕事の一部です。そのために自身も学び続けることを意識しております。知識を得る喜び、あるいは学ぶ苦労を子どもたちと共有したいと考えているからです。そして読書は知識を得る方法として、大事な手段の一つです。
ただ、本を読んだ後、本当のところ何を学んだのか、はっきりしないことも多いのではないでしょうか。たとえば、私も「あれ、これはどこかで読んだはずだけど。」といったことがあり、それが悩みの一つです。そうした中、チャールズ・P・キンドルバーガー教授の読書法を知りました。この方は、多様な研究で知られた経済学者で、該博な知識で尊敬されていたそうです。なお彼の読書法ですが、一言でいうと、本を問題集にすることだと言えます。
私の実践例をご紹介します。
去年、一番印象に残った本は『絶望を希望に変える経済学』でした。そのP97を開けると、欄外に自分で「従来の自由貿易論が見落としていたこと」と書き込んでいます。そして、本文の「リソース(労働者、資本)が当初考えられたほどたやすくは移動しないこと」に線を引いています。要するに、欄外の問いを見て、本文に引いた線の内容を自分なりに説明できれば、OKということです。できなければ、その線の周辺を読み直すことにしています。
その効果についてですが、まず、本を読む際、自分にとって大事なことを探す意識が強まりました。そのせいか、本を読むことが一層楽しくなっています。生徒の皆さんも、教科書を読む際、一度試していただければと思います。