ブラームス


【 ジェイ教育セミナー広畑校 有働 】


自分自身には音楽の才能は誇張でも何でもなく全くないのですが、昔から音楽家の伝記やエピソードを読むのは大好きでした。びっくりするような奇行を繰り返した音楽家もいますが、小中学生の皆さんには刺激が強すぎるかも知れないので、今日はブラームスのエピソードを一つだけ紹介しましょう。


ブラームスというと、19世紀のドイツ・ロマン派を代表する作曲家の一人で、晩年の写真ではでっぷり太って豊かな髭のおじさまですが、若いころからお酒はよくたしなんでいたようです。ウィーンに移住して、ヨーロッパ中に名声を確立したあとの話。支援者の一人がブラームスを招いて宴会を催しました。とっておきのワインが供されて、支援者曰く、「これこそワインの中のブラームス博士ですぞ」(極上のワイン、の意味)。しかしブラームス自身は、そのワインの味があまり気に入らず、別のワインを出してほしいと伝えるために言った言葉が、


「ご主人、ブラームスではなく、お宅のベートーヴェンを出してくれませんかな」。


自己批判の精神をおそらくは過剰に持ち、自分の作る音楽は終生敬愛した大バッハやベートーヴェンのものよりも劣ると自己分析していたブラームスらしい、ウィットに富んだセリフだと思いませんか?