意味のある勉強時間を過ごしましょう
【 ジェイ教育セミナー塾長 有働 】
明けましておめでとうございます。
新しい2022年を皆さんはどのような気持ちで迎えられているでしょうか。
久しぶりに会った親戚の方にご挨拶をして、「○○くん(ちゃん)、立派になったね」と褒められた小学生の生徒さんもいると思います。学校の宿題は1月4日以降にやると決めて、お正月の間はひたすら遊んでやろうと考えている中学生の生徒さんもいるでしょう。受験生の方は、お正月気分も感じられず必死に机にかじりついているかもしれません。
自分の知っている生徒さんたちに聞いてみると、最近は学校でも、「新年の目標」を立てることを求めない先生もいらっしゃるようです。しかし私は、年の初めに目標を持つのは決して悪いことではないと考えています。
お母さんたちに時々、「うちの子、勉強はちゃんとしているんですけど、なかなか成績が伸びないんです」と言われることがあります。私も長くこの仕事をしていますが、駆け出しのころはそう言われるとほとほと困ったことを思い出します。しかし最近では、「勉強をしているのに伸びない」生徒には、それなりの原因があることに気づいてきました。
①「ながら勉強」になっていて、集中して取り組んでいない
ものの30分も経たないうちにスマホに手を出してしまったり、音楽を聴きながらでないと勉強できなかったり。
②休憩時間の取り方が下手
休憩が長時間に及んでしまい、冷えてしまった勉強エンジンがその日はもう温まることがない。
③意味のない勉強をしている
(a)100問解いても間違える危険がほとんどない、簡単な問題だけやっている。
(b)解けなかった問題は答えを写すだけで終わり、その問題が「解ける」ようになるまで取り組んでいない。
(c)基本がわかっていないのに応用問題ばかりに手を出している。自分が何をわかっていないのかがわかっていない。
普段生徒さんを見ていて、特に気になっているのが③の(b)です。
勉強というものには、もちろん「作業」はつきものです。英語・国語であれば単語や語句を覚える、数学・算数であれば計算力をつける。こうした地道な作業からは逃げ出すことはできません。しかし、一生懸命勉強しているつもりでも成績が伸びない生徒の何割かは、「作業」ばかりをやっていて「理解」がおろそかになっているように感じます。
例えば、学校のワークを解いていてわからなかった問題があるとしましょう。提出するときにはもちろん答えを写さねばなりません。しかし、目的は「答えを写す」「提出する」というところにあるのではなく、「その問題が解けるようになること」にあるはずです。解説を読むなり、学校や塾の先生に質問するなりして、「なるほど、だからこの答えになるのか、納得した」という理解にまで落とし込まなければ、その目標を達成することは決してできないはずです。
私の知っているある生徒さんは、問題集やジェイの公開テストの中から自分ができなかった問題だけを抜粋して、数値を自分で変えて(当然、答えも元の問題とは違ってきます)改題し、テスト前にはその自作の問題を繰り返し解いていました。多分彼は、単なる「作業」ばかりやっていたのでは実力がつかないことを、経験上知っていたのだろうと思います。
「勉強していても成績が伸びない」ことは確かにあるかも知れません。しかし、自分が今何をしているのか、何のためにしているのかを意識した上で勉強すれば、「成績が伸びない」ことはあり得ない、と断言できます。
今年の目標をまだ決めかねている人は、上で書いたことを参考にして、「勉強時間を意味のあるものにする」ことを候補の一つにしてはいかがでしょうか。