勉強は量
【 ジェイ教育セミナー西飾磨校 長谷川 】
まだジェイでは新人だった頃のことです。元々は高校生ばかり教えていた自分は、中学生の定期考査の勉強法というものが、今ひとつわかっていませんでした。「学校のテストで高得点を取るにはどうしたらいいか?」という質問が出るたびに、「苦手科目を底上げする方が全体の得点が伸びる…」「テスト対策があるからと軽く考えずに普段から、塾や学校の授業を大切にする」的なことしか言えず、正直困っていました。
そんなある日、教室の配転があり今の校舎でジェイの公開テストも学校のテストもほぼ1・2位というスーパーガールに出会いました。「ねえ、Sさん。学校のテスト勉強って何してるの?特に『学校のワーク』ってどうやって勉強してるの?」という質問に対し、Sさんは「最低3回?」という返事。周りで勉強していたほかの生徒さん(中3含む)が「ざわっ」としたのを覚えています。そこからは「Sさんですら3回やっているのに、それ以下の勉強量で点数がとれるわけがない。ワークは最低3回!」という絶対的基準が出来ました。
数年がたち例年のごとく中1の生徒さんから、やはり同じ質問。「どうすれば学校のテストの点数が上がりますか?」という問いに対して、「ワークは最低3回」と話していたところ、その生徒さんの部活の先輩が通りかかりました。そこでわざと「Oさん、ワークは最低3回やよね?」と聞くと、「E子(Oさん)は3回では無理。最低5~6回はやっている。」との予想の斜め上の返事。「最低5~6回?テスト対策中にそんなにたくさんできるの?」と聞くと、「2週間では無理。4週間前から計画を立てて、苦手科目から少しずつ始めています。」という強烈なカウンターに、長谷川、後輩ともただただ沈黙。このとき謎が解けたのです。ジェイのオリジナル公開テスト成績は偏差値50を超えることがほぼないOさんが、なぜ学校成績でトップ10を割ることのないのかが。結果的には中3後半になって、信じたやり方を貫いたOさんは、ジェイ偏差値55以上、内申オール5で西高に進学しました。
それに対して、「書いて覚えなさい。眺めているだけでは覚えられない。漢字・英単語は5回ずつ書いて手で覚えないと!」と指導していた時のことです。中3のある生徒さんのノートをふと見ると「?????」となりました。「イイイイイ」「水水水水水」「appleappleappleapple…」。その生徒さんに「ねぇ、記号問題の記号5回書いても意味ないのでは…」また「わかりきったことを5回書いて意味あるの?」と突っ込むと、「だって、ジェイで5回書くようにって言ったから5回書いてます。この方が覚えられるし。」という返事。これはまさに衝撃でした。確かに真面目なお子さんですが、時間を無駄にしていることに気がつきながら、「趣味」でノートを埋めている点では圧倒的に不真面目だと思ったのです。
もちろん、いい意味でできるだけ要領よくはやってほしいです。ただ、要領以前に「最低限これだけは…」という「絶対量」はやはり存在します。中1・中2の学校のテストであれば「ワークは最低3回!」というのが、その絶対量だと思います。また、中3の2学期以降のテスト、特に実力テストは、単純なワークの暗記だけでは絶対にこなせません。そのためには、暗記だけに頼らない「本物の実力」をつける時間も必要です。中3生の方は2学期平常授業に加えて志望校別特訓で、「本物の実力」をしっかり身につけていきましょう。