雪の思い出


 【 ジェイ教育セミナー本部事務局 三木 】


 「雪」を見ると、普段雪に馴染みのない地域に住んでいることもあって少しワクワクする気分になってしまいます。一方で、本格的に雪が降る地域ではもちろんそんな気分にはなれないはずです。先日の新潟県での大雪では甚大な交通障害が発生したのは皆さんの記憶に新しいでしょう。普段雪に馴染みがない私たちからすると雪が降って交通がストップしてしまうというのは想像がつかない人も多いのではないでしょうか。しかし、雪は本領を発揮すると結構厄介なものです。そこで今回は私の記憶に残る雪の日の思い出をいくつか挙げたいと思います。

 一つ目が「坂道を登れない車」です。普段だと何でもない自転車で立ちこぎできるくらいの傾斜の坂道で起こりました。ちょうど渋滞で坂道を車で登りかけたところでストップしてしまいました。そして、いざ前進しようと思ったらタイヤがツルツル滑ってまったく前に進みません。思いっきりアクセルを踏んでも空回りするだけです。むしろ少しずつ後退していたような気がします。そうです、自走できなくなったのです。チェーン等は持ち合わせていなかったうえに後ろには何台か車が連なっています。困り果てていたところに後ろから体格がよさそうな複数の男の人が近づいてきました。「何止まってるんだよ!」と怒られるのかと覚悟していましたが、「押しますよ!」といって押してくれました。すると無事に坂道を登ることができてピンチを脱出したのでした。ちなみにその男の人たちは柔道部か何かのクラブチームでこれから練習に向かうところだったそうです。

 二つ目は「凍てついた水道管」です。学生時代にはそれこそ雪が降る地域に住んでいました。ある朝、起きて顔を洗うためにお湯を出そうとしました。ところが、一滴もお湯が出ない。お湯どころか水すら出ない。話を聞くとお隣さんとかも水が全くでないことになっていました。そのときにはじめて水道管が凍結したのだと理解しました。理解できたのはいいのですが、問題は水を使ったことは何もできないことです。顔を洗えないのはもちろん、食器洗いや洗濯、風呂さえ入れないということになりました。ただ、幸いにして温泉がある地域だったのでそこにある銭湯に行けば解決!という算段だったものの、自転車で片道30分くらいの場所だったので温まっても家に着くころには冷えていたのであまり効果がなかったように思います。結局水道管が復旧するには2,3日掛かったので、その間は大学や友人宅にお邪魔したりしました。

 最後は「ブラックアイスバーン」です。みなさんブラックアイスバーンは聞いたことあるでしょうか?見た目は路面が濡れているように見えていて実は凍っている状態の道路のことを言います。これがかなり手ごわくて、先述のようにパッと見た感じは濡れているようにしか見えないので油断して歩いたり、車で走ったりすると滑って転んだりしてしまいます。さて、そんな状態の道を車で走っていると、いきなり後輪が滑ってセンターラインのほうにはみ出しそうになりました。その時に教習所で「スリップしたときはスリップした方向にハンドルを切るのじゃよ」というおじいちゃん先生の言葉を思い出して実践した結果、軌道修正して事故には至りませんでした。ところが、安堵したのもつかの間、その時高速道路を使えば3時間ほどで移動できる場所に向かっていたのですが、除雪作業で高速道路は通行止めをくらってしまいました。仕方なく下道で時速30kmのノロノロ運転だったので普段の倍の6時間くらいかけて雪の夜道を走り抜けました。

 雪って時には強敵になるってことが伝わりましたでしょうか。とは言っても、普段雪をめったに見ないのでやっぱり雪を見ると心躍るし、遊びたくなってしまうものですね。