算数文章題が解けない子どもたち


 【 ジェイ教育セミナー西飾磨校 淡井 】


今年の春は急ぎ足だと感じております。桜の花も、もう少し残ってほしかった、とも思いました。

さて、最近『算数文章題が解けない子どもたち』(今井むつみ他著 岩波書店)を読みました。内容について大まかにいうと、筆者たちの作成したテストに残された小学生の思考の過程、問題点を詳細に分析した内容が書かれています。詳しくは、是非みなさんにお読みいただければ、と思います。(私は、欄外に86ヵ所書き込みをしました。必ず気づきがあると思います。)ここでは、私自身が印象に残った点をいくつか挙げます。

①算数の文章題で、考えることに意義があると思っていない子どもたちが多数いる。その子どもたちは、数字を知っている式に入れるだけの行動をとる。彼らは、得点に一喜一憂しても、解ける喜びを知らないので自分の答えをチェックすることはテスト中にしない。

②「できる子」は、これは簡単な問題ではないと見抜くことができる。そして、表を書いたり、補助線を引いたり、視点を変えたりなど自分で解き方を工夫することができる。

③実生活の問題解決能力とは何か。大事な情報とそうでないものの区別、大事な情報のうち今はどれに注意すればよいかなど複数の視点が必要。さらに、すでに持っている知識を「こうなっているから、こう考えても良い」と広げることも必要になる。それらができているかは学校のテストでも確かめることができる。


ここから、私の思うことを述べます。塾講師として、「できた」という喜びを生徒と分かち合えればと思います。特に、小学生は講師の説明が「分かる」喜びより、自分で「解ける」あるいは「できる」喜びの方が大きいようにも思われるからです。また、演習後の解説では、「~に気づいた?」「こんなやり方もあるよ。」「今日のやり方で、他の問題でも使えそうなやり方は?」といった発問を重視したいと考えています。その結果、生徒たちが「こんなやり方があるのか」「このやり方を次のテストで使ってみよう」と思ってくれたらと思います。そして、生徒たちがこれから実生活ででくわす「問題」を粘り強く自分なりに工夫して解いてくれたら。たとえば、自分はどんな大人になりたいか?あるいは、自分が一生興味を持てそうな仕事は?などなど。そもそも自分はできると自信をもってくれたら。現実に一喜一憂するだけの大人になるのではなく、それをチェックし、よりよい現実を自ら創ってくれたら。切にそう思います。