みんなおなじ?みんなちがう?田植えまつり 


 【 ジェイ教育セミナー大津校 体験教育担当 橋本 】


おじゃまします~、今回はハシヒデがお届けする体験教育のお話です。


2023年5月21日(日)、今年度農業体験第一弾として兵庫県丹波市春日町棚原にある「ジェイ農園」で田植えと野菜収穫をしてきました。

参加する生徒24名、一人の欠席もなく集合時刻に姫路駅南口ロータリーに集合、バスに乗り込みます。参加生徒のエネルギーでしょうか、前日まで心配された天候が、まあ見事な晴天。雨男のハシヒデとしてはホッと胸をなでおろしてのスタートです。

往路のバス内では、参加生徒の紹介や班分け発表などワイワイガヤガヤと。1時間半の道中で、普段顔を合わせることのない生徒やスタッフもすぐに打ち解けていきます。


さて農園到着、ジェイ農園のスタッフも出迎え体制万全で生徒のワクワク感はMaxです。全員で超元気な挨拶をして手早く開会式を済ませ、早速活動開始!

まずは自然観察会から。専門の指導員のアドバイスのもと、開会式会場から田植え圃場までの間歩きながら、すぐ近くにある植物や動物に関心を寄せていきます。その道中、ジェイ農園母屋駐車場の一角に、出荷や加工ができなかった野菜を廃棄する場所があり(といっても3坪ほどの草むらなのですが)、そこに寄ります。


指導員の先生 「さあ、この草むらから『野菜』をさがしてみよう!」

生徒 「???」


実は、野菜を廃棄と書きましたが「自然に還している」だけなので、たい肥になっていくものもあれば、発芽する種子もあります。普段の生活でこのような観点を持つ機会は少ないのではないかと思います。

というわけで、生徒は「野菜!野菜!」と探しますが見つかりません。


生徒 「センセ~、野菜なんかどこにあるん??」

ハシヒデ 「ほれ、目の前にあるやん」


そうです、生徒の目の前に立派なダイコンが成長しているのです。ではなぜ生徒は気づかなかったのでしょう?私たちが知っているダイコンはスーパーで見る白い根っこの部分です。しかしダイコンも植物ですから発芽・成長すると種子をつけます。ダイコンはアブラナ科なので種子は莢(さや)に収まっています。イメージはサヤインゲンの豆を大きくしたような感じで、この莢が生徒の目の前にたくさんあるのです。…ってそりゃ気づかないですよね💦   

他にもニンジンやミョウガ、ネギなども芽を出していました。植物も環境に適応してタフに生きています。その様子を生徒たちは目からウロコ、キラキラした眼で見ていました。





続いてメインイベントの田植えです。昨年ササニシキを植えた時と同じ圃場で、今年は『亀の尾』という品種をジェイ農園が用意してくれました。


「亀の尾?なんじゃそれは?」ですよね~。


これは明治時代に山形県で発見された品種で、現在生産されているコシヒカリ・ササニシキ・あきたこまち・ひとめぼれ・つや姫など、ほとんどの品種の源流となった品種です。日本人の米の好みである「甘み」はこの品種から受け継がれていると言われています。害虫に弱い・化学肥料栽培に適さない等の問題があり、多収性を重視する現代農法では栽培が避けられてきた品種なのですが、食味の良さだけでなく酒米にも適しており(兵庫県で多く栽培される酒米の山田錦は西日本でしか栽培できないそうです)、自然農法の研究が進んだこともあって近年栽培面積が復活している品種なのです。


という紹介をして(生徒にもバスの中で説明しています)田植え作業です。品種は珍しいものですが、苗を植えること自体は他の品種と変わりません。田んぼに張られたロープにつけられた印を目安に、太鼓の音に合わせて苗を挿していく…はずが


「センセーっ!足抜けへんーっ!」

「センセーっ!服汚れる~(あ、当たり前ですやん💦)」

「まっすぐ歩かれへん~(しばらくして『バッシャ~ン!』)」


あちこちで叫び声、植える前から泥まみれ(笑)←すべて想定内です。

悪戦苦闘しながら植え始めます。しばらくするとそれぞれがどうすれば上手く植えられるのか考え始めます。もちろんこれまでに蓄積されたノウハウがあるのですが、あえてそれは伝えずに一緒に考えます。やがて、前進しながら植える、後退しながら植える、班の中で良い方法を共有する…といろいろな試行錯誤が出てきて、それぞれの生徒が同じ目的に向かって異なる方法でベストを探るという個人の認識力や価値意識の違いが表れてきます(もちろん学年での成長段階がありますから発露のしかたは様々です)。植えた苗は田植え機で植えたようなきれいな列にはなりませんが、生徒の考えた跡や苦労がよく見えて良いと思います。


1時間と少しでおよそ2アールほど植えることができました。天気が良く気温も上がったため、熱中症予防の観点から、予定の面積よりもすこし少なめで田植えは切り上げました。それでも生徒は汗だくになりながら米作りの大変さを感じてくれたようで「自分の植えた苗が育ったら、稲刈りもしたい~!」と元気いっぱいで答えてくれました。






田植えの後は着替えて昼食。今回もジェイ農園で穫れた米や野菜を使ったメニューで、生徒たちはモリモリ食べてくれました(スタッフの食べる分が少なくなったのはご愛敬)。

食べ過ぎてあとでおなか痛くなったりしないかと心配になるほどの食べっぷりでしたよ。

今年も食器の後片付けを自分たちでしました。


午後の野菜収穫。今年はニンニクが豊作で、みんな土の中から例年より大きく成長したニンニクを掘り出しました。直前にしっかり雨が降ったのが良かったようです。葉タマネギの収穫と合わせて生徒は大満足。名物「玄米ポン」も食べて超満足。帰りのバスではみんな次回以降予定しているリバートレッキング・稲刈りに「参加するーっ!」と大きな声で返事をしてくれました。ハシヒデもやりがいがあります。食事や収穫の様子については、またあらためて詳しくお伝えしたいと思いますのでご期待ください。





PS 来る6月17日(土)にジェイ農園オリジナル企画の『ジャガイモ掘り体験会』があります。ジェイ農園HPの「丹波だより」に詳細がありますので、ぜひご覧ください。