「空色」ってどんな色?


【 ジェイ教育セミナー龍野校 加古 】


9月といってもまだまだ暑い日が続いています。とはいえ、空の青さや空の高さに秋が感じられませんか。一度空を見上げてみてください。では、みなさんはあの空の色を何色と呼びますか。おそらく多くの人は「空色」あるいは「青色」と表現するのではないでしょうか。しかし、同じ青でも薄いものから濃いものまで、緑に近いものから紫に近いものなど微妙に違っています。ではそれぞれ「何色」と名前がついているのでしょうか。今日は青色にはどんなものがあるかをみてみましょう。

「青」は古代からある色の一つで、光の三原色の一つでもあります。漢字の「青」の上の部分は植物や生命が生まれる「生」のことで、下は硫黄を含む鉱物である「丹」を表しています。「丹」から芽が生えてくる意味から緑色を指す漢字とされています。そのため中国では緑色は「青」、青色は「藍」の字で表します。「緑」のことを「青」と表現する場合がありますね。たとえば「青信号」のように。

では具体的に青色にはどのような名前があるでしょうか。


《自然からの名前》

空色(スカイブルー)・・・どこまでも澄み渡る昼の空。

天色(あまいろ)・・・晴天の鮮やかな空の色。

紺碧(こんぺき)・・・深くて濃い青色。「紺碧の海」「紺碧の空」。

マリンブルー・・・一般的な海の色で広範囲な青。

ネイビーブルー・・・紺色(暗い紫みのある青)。イギリスの海軍の制服の濃紺から。

藍色(インディゴブルー)・・・深く濃い青。タデ科の藍を発酵させた藍の液で染めます。染める回数で多くの種類の色に染め分けられます。最古の染料の一つ。

勿忘草色(わすれなぐさいろ)・・・明るい青色。明治時代に紹介されたドイツの詩の中の花の名前。フォーゲットミーノット(わたしを忘れないで)ブルーと言います。

露草色(つゆくさいろ)・・・明るいうす青色。万葉のころから花の汁を布にすり付けて染めていました。

スカラベブルー・・・「スカラベ」は、コガネムシ科の「ふんころがし」の名前で有名ですね。

エジプトの装飾品のモチーフとなっています。暗い青、鮮やかな青、透明感のある青などさまざまに表現されています。


《鉱物からの名前》

コバルトブルー・・・鮮やかな青。コバルトとアルミからなる顔料の青色。

群青色(ぐんじょういろ)・・・濃い深みのある青色。アズライト(藍銅鋼)から作られる顔料の色。

瑠璃色(るりいろ)(ラピスラズリブルー)・・・深みのあるさえた青色。ラピスラズリという鉱物からの顔料の色。

サファイアブルー、ターコイズブルー(トルコ石)、アクアマリンなど宝石の名前からのもの。


世の中には、数え切れないくらいの色の言葉があります。多くは今までの歴史の中で、身近な自然や動植物からつけられてきています。同じ色でも、色の言葉を使い分けることが出来れば、日常の生活もとても豊かなものになるのではないでしょうか。「好きな色は何ですか」とたずねられたとき「瑠璃色が好きです。」などと答えられたらすてきですね。