理科の小ネタ


 【 ジェイ教育セミナー網干南校 田邉 】


J文庫にあるブルーバックス・シリーズの「E=mc2のからくり」というタイトルの本から、理科の小ネタをひとつ。中1の理科でも習いますが、「力」には、輪ゴムやバネが変形したときに、元の形に戻ろうとする「弾性力」という種類のものがあります。これ自体は、面白くもなんともないのですが、アインシュタインの方程式E=mc2にちなんで、興味深い話が載っています。

この方程式の左辺Eはエネルギーを表し、単位はJ(ジュール)、右辺のmは質量で単位はkg、cは光の速さ(定数)を表しています。ここで例えば、巨大なバネをこれまた巨大な万力で引っ張るとします。そうすると、バネは大きな弾性力=エネルギーを持つことになり、方程式の左辺(E)の値が大きくなります。ところが、左辺の値が大きくなると、右辺の値も同じだけ大きくならなければ、方程式は成り立ちません。ここで、光の速さは不変であることから、cの値が変わることはありません。そうすると、等式が成り立つためには、理論的にはm、つまり、バネの質量が増加しなければならないというのです。

これはつまり、バネは引っ張ることによって弾性力を持つと、質量が大きくなる(重くなる)ということなのですが、皆さんご存じでしたか?ただし、質量が大きくなるといっても、無視できるほどごく僅かなので、中学の物理の問題を解く際には、無視してもらっても全く問題はありません(念のため)。