自分のことを「ボク」と呼ぶ女子 


【 ジェイ教育セミナー西飾磨校 加古 】


自分のことを「ボク」という女子が増えてきたという報道を耳にしたことがありますが、みなさんは聞かれたでしょうか。


そもそもみなさんは自分のことをどう呼んでいますか。

英語では ”I” のたった一語ですね。ドイツ語やフランス語も一語だそうです。

しかし、日本語には一人称を表す言葉がたくさんあります。ゆうに20を超えるそうです。

私(わたし、わたくし)、あたし、あたい、うち、僕(ぼく)、俺(おれ)、わし、おいら、わて、我輩(わがはい)、自分、こちら、手前(てまえ)、当方、小生(しょうせい)、それがし・・・などなど。知っているものはありますか? 


では、どうして日本語にはたくさん「自分」を表すことばがあるのでしょうか。日本人は他の国の人々より「自分」に強い関心をもっているのでしょうか。自己主張が強いのでしょうか。

じつは日本人の「自分」に対する意識は、他の国の人々と異なっているのです。たとえば、ヨーロッパ人は「自分」というものはかけがえのない、独立した一つの人格と考え、まわりの自然とも対決しているのです。

それに対して日本人は周りの自然に同化し、「自分」は個人として一人だけで存在するものではなく、他の人々との人間関係の中で存在していると考えてきました。つまり、日本人は自然と同様にまわりの社会と自分を一つのものととらえているのです。そのため自分を表すことばも微妙な人間関係を表現し、話す相手によって使い分けているため増えていったと考えられます。

また、小さい男の子に「ボクどうしたの?」と言ってみたり、相手に「自分は何食べる?」とたずねたり、一人称が二人称として使われたりすることもあります。このようなことからわかるように、日本人は自分と他人とにはっきりとした区別を設けなかったのです。むしろ、常に社会の中の自分を確認し相手との関係を優先させて来た結果、設ける必要がなかったといえるのではないでしょうか。


私たち一人ひとりが「自分」を意識した一人称の呼び方を考えてみるのもいい機会ではないでしょうか。