昔,私が失敗した話


【 ジェイ教育セミナー太子校 阪本 】


太子校で数学や理科を担当している阪本です(15回目のブログです)。

今回は,「昔,私が失敗した話」です。

突然ですが,私は英語が苦手です。単語を覚えるのに時間がかかるし,発音することも聞き取ることも難しいし,文のつくりかたは日本語と規則が違うし,めんどくさいことだらけです。外国人と話すことができれば,それは格好いいけれども,別に話せなくたって困るわけでもない。そもそも英語を勉強して何の役に立つのか,という疑問もあります。

ところで,こんな考え方になったのは,いつ頃からだろう。記憶はあいまいですが,多分中学二年生の時の英語の授業が原因でしょう。年配の先生(一旦匿名とします)が英語の授業を担当されたのですが,授業の進め方に私は強く反発しました。ちなみに,先生が徹底されたのは,次の三点です。

①新しく習う単語をノートに写し,日本語の意味を書く(辞書で調べてもよい)

②教科書の本文をノートに写し,日本語に直す(辞書で調べてもよい)

③教科書の本文の日本語訳(上記の②)をもとにして,それを英語に直す

一年生までの私は,それなりに英語もよくできて,真面目に授業を受ける生徒でしたが,この進め方に対して,どうしても納得ができませんでした。「一年生の時の先生と教え方が違う」「教科書の本文を写すことに意味はない」「教科書本文の意味がわかればよいのであって,いちいちノートに日本語を書くなんて時間の無駄だ」等々。自分勝手な理屈を並べて,(こんな勉強の方法で成績が上がるわけがない,と勝手に決めつけて)英語の勉強時間をどんどん減らしていきました。

落ち着いて考えれば,この三点は,英語の勉強法として大変オーソドックスな(標準的な)ものです。「この方法ならば,まず失敗はない」と言っても良いでしょう(そういえば,ジェイ大津校の橋秀先生もこの方法で勉強していたらしい)。今の私ならば,英語を苦手とする生徒さんにも強く勧める方法です。

私の中学時代の話に戻しますが,勉強時間を減らした結果,当然のごとく英語の成績は急降下。高校三年生だった姉は,私の不勉強ぶりを見ていたこともあり,「なんでこの時期に英語でつまずくかな?」と冷たく言い放っていました。「勉強しなけりゃ,成績が下がるのは当たり前だろう」という冷たい態度(いわゆる愛のムチ?)は,今でも覚えています。

その後,私は英語が苦手なまま大学を卒業し,社会人になって(英語をあまり使わない仕事について)約40年。私に冷たく言い放った姉は,英語力を高める努力を続け,今は通訳。中学二年生の私に言ってやりたい。「自分勝手な理屈はやめて,こつこつと勉強しなさい。将来は通訳になれるかもしれないんだから。」