中間テストに向けて


【 ジェイ教育セミナー大手前校 田渕 】


今ちょうど中・高生の皆さんは中間テスト直前という方が多いのではないでしょうか。

大手前校でも一部日程の早い中学校を除き、まさに中間テスト直前の追い込みをかけているところです。


ちょうど先週、先の日程の中学校の3年生から理科の質問がありました。中1以下の生徒さんには少し難しい話になりますが、化学分野の「イオン」の質問です。塩化銅水溶液の電気分解で、同質量の質量パーセント濃度が10%のものと20%のものを入れたビーカーを2つずつ用意し、これらに1Aの電流と片や2Aの電流を流して、4通りの電気分解をするという実験です。

中2の生徒さんも多分電気分解は学習し、上の例では、片方の極に銅が析出、もう一方の極に塩素が発生することは既知だと思います。

この問いは電流の大きさ、濃度の違いによって、最も多く銅が析出するのは?というものです。単純に考えて、電流が大きいほど、濃度が高いほど、多く析出すると答えそう(正確には、電流が大きいほど、早く電気分解が進む)ですが、多く析出するものを2つ選ぶ、となっていました。そこで、問題文をしっかり読み返すと、一定時間(5分間)という条件と、実験の4つのパターンの隅に小さく、(注)として、この実験でイオンはなくならないものとするという一文がありました。2種類の塩化銅水溶液を電気分解が止まるまで進める(溶けている塩化銅をすべて分解する)と、当然20%、つまり濃度の高い方から多く析出しますが、イオンがなくならない状態では、10%であれ、20%であれ、電流が大きい方が一定時間で多く析出することになります。

つまり、この問いの条件では電流の大きい2Aの2つのビーカーで銅が多く析出し、濃度には関係しない、という結論を出しています。イオンがなくならない=溶けている塩化銅は完全に分解されずにあるということです。


最近、大学入試が科目に寄らず長文化し、これを受けて兵庫県公立高校入試も長文化の傾向にあります。

上記のように、設定によって解答が変わる問題の質問を受け、やはり日頃の定期考査から、しっかりと文章を読み取り、解答に関わる条件を漏らさず把握する習慣を癖づけなければなりません。

特に、日頃からケアレスミスが多いと自覚もある人は、問題文の見落としに注意するよう心掛けてください。