言葉の持つイメージ


 【 ジェイ教育セミナー赤穂駅前校 竹井 】


暑かった夏も峠を越え、10月に入り一気に寒くなり、秋が深まってきたような気配。この時期は、地域によっては体育祭(運動会)が真っ盛り。今後、文化祭なども行われ、まさに「勉強の秋」「スポーツの秋」「芸術の秋」の季節になってきたように思います。


今年度、ジェイの「小学生の国語」の授業で扱う教材の中に『ロジカル国語表現 言葉のひきだし』というものがあります。小学5・6年生で使っています。この教材の導入のもともとの意図は、「普段接することのない色々な言葉を小学校の段階で覚えていただき、語彙力の強化に加え、表現の幅を広げてほしい」ということでした。

最近の授業で扱った内容で、「季節(春・夏・秋・冬)」に関するものがあります。月の異名で、10月を「神無月(かんなづき)」。 二十四節気(にじゅうしせつき)(1年を春夏秋冬の4つの季節に分け、さらにそれぞれを6つに分けたもの)というものがあります。カレンダーを見ると「春分・夏至・秋分」などありますが、こうした季節をあらわす言葉のことで、10月8日頃を「寒露(かんろ)」(=「晩秋から初冬のころに降りる冷たい露」の意味=露が冷たく感じられるころ)。確かに、朝晩は冷え込みが増して、姫路エリアでも最低気温が20度を下回りました。「自然界は、着実に暦通り動いているのだぁ」と思うと同時に、「言葉の持つイメージ」がまさに現実にフィットしていることにも感心しました。


最近気になった書籍に、『言いかえ図鑑』(大野萌子著)というものがあります。様々な場面での「肯定的な言葉の言いかえ」を紹介した本で、おそらくご存じの方も多いかもしれません。

近頃は、言葉の使い方にも注意が必要で、例えば、宿題などを忘れた時、「なぜ、やらなかったんだ(忘れたんだ)!やれ!」などと言うと、高圧的・威圧的表現となり「パワハラ講師!」とも言われかねません。マイナス的な表現ではなく、プラス的に例えば、「〇〇まで、勉強してみようか」とか「〇〇までは、してほしいなぁ(してほしかったなぁ)」とかであれば、おそらく皆さんたちも「頑張ろう!」という気持ちになるかもしれません。

 こうした「言いかえ」は、我々講師も含め、様々な言葉を知らないと難しい面があります。ジェイで扱っている『ロジカル国語表現 言葉のひきだし』の中にも、「好き」を表す言葉でも、「したう・めでる・意にかなう・いとしい・好意・ぞっこん」など、「意味の弱いものから強い言葉」なども学習しています。

自分:「お母さん、ぼく、今ジェイの国語の授業にぞっこんなんだ。今後、色々な言葉をおぼえていくことにチャレンジするね」

と言われると、

お母さん:「国語のできる小学生(子)は素敵だよ。」

・・・とは、ならないかもしれませんが、言葉使いを少し工夫するだけで、全く雰囲気が変わると思います。

ぜひ、「貪欲(どんよく)に」様々な言葉を覚えていってほしいなあ、と思っています。