犬たちの選挙の話
【 ジェイ教育セミナー新飾磨校 富永 】
10/27(日)には総選挙、11/5(火)アメリカ大統領選挙(我々には直接関係はありませんがついでにww)、11/17(日)兵庫県知事選挙と目白押し状態ですが、1970年代にレイム・ディア―爺さま(ラコタ・スー族に属するメディスンマン、語り部)が、「自分たちのところでは2500年間ぐらい選挙なんてしないでやってきたのだ。もともとわしらは数千年にわたって自分たちを聖なるしきたりにならってひとつにまとめあげてきていたのだ。あの連中にはわからんのだろうが、わしらにはそのやり方がわかっていた。別に誰の力も借りる必要もないのだ。」そう言って、犬たちの選挙についてちょっとした話を聞かせてくれた。
『犬たちの選挙の話』
昔々、犬たちが大統領を選ぶために選挙をすることになった。犬たちの代表が集まって大きな会議が開かれ、中のひとりがこう発言した。「ブルドッグを大統領に推薦する。ブルドッグは強くて、いざというときには戦えるからな。」「でもあいつは足がのろいぞ。」別の犬が言った。「あんなにのろまなくせに、本当に戦えるのだろうか?あれでは敵にみんな逃げられてしまうに決まっている。」すると別の犬が勢いよく立ち上がっていった。「大統領にするならグレイハウンドがよい。彼の足は折り紙つきだ。その足の速さは半端ではないぞ。」ところがそれを聞いた犬という犬がこぞって不満そうな声を張り上げた。「だめだめ。足が速いのは認めるが、グレイハウンドでは戦いにならない。いくじなしだからな。敵を追いかけておいついたはいいが、その後でどうなると思うのさ。捕まえたつもりが逆に捕まってこっぴどく打ちつけられちまうに決まってる。その程度のやつだからな。」ケンケンガクガクと会議は続いた。あるとき見てくれのよくない小さな雑種の犬が発言を求めた。「わたしは、尻尾の付け根の裏側の匂いがよい犬を大統領にすべきだと提案します。」すると別の雑種の犬が勢いよく立ち上がって「賛成!それがいい!」と声を上げた。
さあそうなると犬たちはいっせいに色めき立って、あちこちでみな勝手に近くにいる犬の尻尾の付け根の裏側の匂いをくんくんとかぎはじめた。「く、くせえなぁ、おまえ!」「あいつの臭いはひどいや」「や、こいつもたまらん臭いだ」「くさいぞ、くさい。ひどい臭いだなあ、キミは」「こんなくさいやつが大統領だなんてとんでもない!」「われわれ人民はこんなひどい臭いの持ち主を望んではいない!」「なんておまえはケツの臭いがくさいんだ」「こんな臭いの候補者なんてまっぴらさ」
というわけで、散歩の途中で犬たちと出会ったらよく観察してみるといい。あいつらはいまだに自分たちの指導者を決めかねている。尻尾の付け根の裏側がよい匂いのする犬を、今も必死に探し続けているのだ。
さて、日本では国家百年の計(元の中国の言葉では国家終身之計、インディアンの世界ではセブン・ジェネレーションズ)と言います。そこまでとはいかなくても、今回の選挙で10~20年後の社会がつくられていくと考えてみてください。今は選挙権のない子どもたちも、ぼけ~っと眺めているわけにはいきません。大人たちが誰を選ぶのかをしっかり見ておく必要がありますよ。