…で、どっちなん?
ジェイ教育セミナー大津校 橋本
みなさん毎度!ハシヒデです。
さて今回は「前回の続き」です(笑)。え?あの話に続きがあるのかって??あるんです、これが。
前回のブログでは分水界のお話をしました。兵庫県内に降った雨水は太平洋側か日本海側に流れていくんでしたね。ところが兵庫県内にはこの分水界がはっきりしない場所があるのです。
またまた突然ですが、みなさんは「揚水(ようすい)発電」という発電方法をご存じですか?これは水力発電の一種で、山奥で数百メートルの高低差をつけた2カ所にダムを造って水を貯めます(このとき上のダム湖を「上部貯水池」下のダム湖を「下部貯水池」といいます)。この2つの貯水池を地下の導水管でつないで水を流し、下部貯水池の近くに設けた発電所で水力発電をするという発電方法です。
ふつう水力発電では発電に使った水を下流に流してしまいますが、揚水発電では昼間発電に使った水を下部貯水池にためておき、夜間に余る電力でポンプを動かして上部貯水池に水を戻すという循環を作って発電します。現在全国に47カ所あり、電力のピークを調整する重要な役割を果たしています。
その中でも兵庫県にある関西電力奥多々良木発電所は市川上流の黒川ダムを上部貯水池、円山川上流の多々良木ダムを下部貯水池とする落差387.5m、193万2000kwを発電する国内最大の揚水発電所なのです。市川上流には128万kwを発電する関西電力大河内(おおかわち)発電所(これも揚水発電)もあり、実は関西屈指の電源地帯となっているのが市川水系なんですね。
と、ここで兵庫県の地理に詳しい人は「あれ?」と思います。そうです市川は太平洋側に、円山川は日本海側に流れていきます。つまり奥多々良木発電所の2つの貯水池は中央分水界をまたいで地下の導水管でつながっているのです。ということは太平洋側になる黒川ダム湖に流れ込んだ雨水の一部は導水管を通って円山川に、日本海側になる多々良木ダム湖に流れ込んだ雨水は導水管を通って市川に流れていく可能性がありますね。これが分水界がはっきりしない理由なんです。ややこしいというか何というか…結局この辺りに降った雨水が最終的にどちらに流れていくのかは、まさに時の運ということですね(笑)。
そうそう、黒川ダムの近くには美人の湯、黒川温泉もありますよ~