友達のいない男
【 ジェイ教育セミナー大津校 橋本 】
みなさんこんにちは、いまこのブログに到達した方、ジョーカーを引いてしまいました!ハシヒデの登場です。お勉強についての話は、良いことがいっぱい書いてある他の回のブログをご覧くださいネ。
前回のハシヒデブログは小5時代の話でした。今回はそんなハシヒデが小6時代のお話です…
私はいわゆるベビーブーム世代なのですが、出身が相生の山奥なので(う、生まれたのはちゃんと産婦人科ですよ!)同級生はたくさんいたのですが、なんせ友達の家までが遠い。最も近い友達の家まで直線距離で250m、舗装されていない川土手を歩いていくとおよそ300mありました。ちなみにその間に人家はありません(どんな人口密度やねん)。
今のようにSNSやメールで遊ぶ約束ができる時代でもなく、遊ぶ約束といえば小学校の登下校時にするか、ダイヤル式黒電話を使った狭い地域内専用の有線電話(市外局番なしの4ケタという謎の電話です)で電話をかけるかしか方法が無かったのです。
当時は土曜の午前中に学校の授業があった時代で、土曜といえば下校して帰宅後に再放送のルパン三世を見ながらお昼ごはんを食べるのがパターンでしたね。
さて、蒸し暑さを感じるある初夏の土曜日、午後のことです。学校で遊ぶ約束をし損ねたハシヒデ君。がんばって友達の家に電話をかけたのですが誰も出ません…家族でお出かけなのかな?他の友達の家はもっと遠くなります。田舎では友達ができないのではなく「物理的にいない」状況になるのです(笑)。
ということで、ハシヒデ君は仕方なく一人で遊ぶことにしました。とはいえジャングルジムで暴れるハシヒデですから(詳しくはハシヒデの前回ブログ「闘う男」をご覧ください)、一人でも遊びには事欠きません。プラモデル作りが大好きで、船や車にバイクや城などいくつ作ったか覚えていないくらいたくさん作っていた昭和少年のハシヒデ君は、作りかけていた戦艦大和(宇宙戦艦でなく旧帝国海軍の方です)のプラモデルを完成させることにしたのです。細かい部分はすでに作っていたので、あとは電池ボックスとモーター・スクリューを取り付けて上部構造物と船体を接着、2時間ほどで全長45㎝の立派な戦艦大和ができあがりました。当時でもこの大きさになると結構なお値段で、お年玉をはたいて買ったものです。普通ならここで台座に飾り付けてしげしげと眺めるところ(ここで接着剤も固化させます)ですが、モーターとスクリューがついているということは水上で走らせることができますから、落ち着きのない昭和男子は待っていられません。
ここからがハシヒデの真骨頂。そそくさとできたばかりの大和を大事そうに持って裏の川へ。深みに浮かべて大和のスイッチオン!「ウィ~ン」とモーターがうなりを上げ、大和が水面をすべるように進み始めます。我ながらなかなかの出来具合、いい感じに水面で緩やかな弧を描いています。
ところがその雄姿を眺めていたのはほんの数分。何を思ったかハシヒデ、川土手に駆け上がり地面に転がっている石をつかんで絶叫(一人でね)「敵戦艦発見!爆撃ーっ!」石を大和に向かって投げる、投げる、投げるっ!頭の中では7万2000tの超巨大戦艦のすぐそばにいくつもの水柱が立ち上がっていたのです。やがてそのうちの一発が大和の第一副砲(マニアの方には分かります(笑))を直撃、当たった場所は大穴が開いて無残な姿に…しかしそこでまた絶叫「命中ーっ!敵戦艦大破ーっ!(ア、アホやこいつ)」
続けて何発かの直撃弾を与えた結果、大和は浸水を始め、船体は右へ傾きやがてゆっくりと水中へと没したのです。
そして絶叫「敵戦艦撃沈ーっ!」…当時何か悪いものでも食べたのでしょうか(汗)
あまりにも残念な姿に破壊された戦艦大和。ところがどっこい、それを水中から引き揚げたハシヒデは傷ついた大和を家に持ち帰って小細工。壊れたパーツをろうそくの炎で溶かしたり、部品のついていたライナーを切って割れた部分に取り付け、穴の開いた船体から中の配管が見えている風に、などなどの改造を施します。そして浸水しない程度に補修をして眺め…ません、また川へ行きます。そしてこの戦艦大和はハシヒデの第二次攻撃の餌食となったのです…
ハシヒデ攻撃隊の二度にわたる猛攻を受けた大和、一度はよみがえったものの、このアホ小学生による二度目の投石攻撃を受けてついに転覆、川で轟沈するという悲しい運命をたどることとなりました。
今から思えば「オイ、完成したら飾れよ!」と当時の自分に言ってやりたいのですが、頭の中は妄想の大宇宙だったんでしょうねぇ。でも後悔はしていません。沈んだ大和はまた引き上げて分解し、部品は飾りましたから(爆)
みなさんはこんな頭の悪い少年にならないでくださいね(ニッコリ)
PS 大和作成時、スクリューの軸が船体の外に出ますから船体にはスクリュー軸用の穴が開いているのですが、そのままではその穴から浸水するので防水処置をします。組み立て説明書にはグリス(粘度の高い機械油)で穴を埋めるように書いてあったのですが、工場でもなければ都合よくそんなものはありません。さてどうしよう…代わりに「マーガリン」詰めてましたwww